新しい出発と、罪悪感と

語らせてくれ

土壇場で7月の半ばに、リクルーターから連絡があってから、たった3日間で、ニューオーリンズの病院から内定をもらったのは、
前回の記事で書いた通りである。

その後、次々と事務手続きをこなす中、オリエンテーションは8月末だと告げられる。

1か月強も猶予があるわけだから、ゆっくり移動すればよい。。。と思ったが、そうは問屋は卸さなかった。



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オリエンテーションの日程がわかってからすぐに、アパートの管理室へ向かった。

今月末で退去する旨、伝えるためだった。

アパートは1年契約だったが、この時点ではまだ7か月目を過ぎたばかり。

契約書によれば、1年未満で退去する場合は、デポジットは返ってこないのはもちろんのこと、
新しいテナントがみつかるまでの家賃さえも払わなければいけない、となっていた。

せいぜい1、2か月で新しいテナントがみつかってくれればいいな、と暗澹たる気持ちになりながら、
管理人さんに話を切り出した。

そして、またもや、奇跡が起こったのだった。

「次の月曜日までに出られる?」

と、管理人さんにたずねられたのだ。

なんでも、即入居可能な部屋を探している、という人が数日前に現れたらしく、
次の月曜日までに退去することができれば、余計な家賃を払うこともなく、
はてや、デポジットまで通常通り返却してくれるとのことだった。

もちろん、こんな願ったことこの上ないことだったから、二つ返事で即答した。

ただ、問題として、その時点で週の半ばを過ぎていたので、退去までほんの数日しか猶予がなかった。

幸い、大きな家具などはほとんどなく、持ち物も普通の人に比べて少なかったから、できなくもなかったのだが、
だいぶしんどかった。

結局、汗だくになりながら、全ての荷物を車に積み終えたのは、月曜日の当日の朝だった。

部屋の鍵を管理人さんに返却し、いざ、ニューオーリンズへ向かうことになった。

しかし、この時点で、まだ私は重大ことを済ませていなかったのだ。

内定をもらって、事務手続きのほとんどが済んでいたサウスダコタの病院へ、内定辞退の連絡をまだしていなかったのだ。

電話する時間なんていくらでもあったのだが、ヘタレな私は勇気がなく、この期に及ぶまで、伸ばし続けていたのだ。

とにかくモンタナを出る前には、電話をしなければ、と私なりに思った。

そして、まさに、長距離ドライブに備えて、コストコのガソリンスタンドでガソリンを入れた後、
近くの駐車場に停車して、ドキドキしながら、サウスダコタの人事担当の人に電話したのだった。

実は、もともと、電話すること自体が嫌いなのだが、人生の中で、この電話ほど気が進まないことってなかったのではないか、
と今になっても思う。

他のどこにでも雇ってもらえなかった、こんな私に内定をくれた。

そんなありがたい病院に、内定辞退を伝えるのは、本当に、本当に辛かった。

幸い人事担当の人は、おそらくこういった電話を受けているのに慣れていたのかもしれないが、なごやかに受け入れてくれた。

だが、それがさらに罪悪感を感じないでもなかった。

ともあれ、一番、気が重かったことも、こうして無事に済ますことができたので、あとは新天地に向かうばかりである。

その後、こうして内定辞退をした罰が当たってしまったのかも、と思うような事態になったりもしたのだが、
それはまだ先のことである。。。
 

 

 

 

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