こんなはずじゃなかった… その3〰 看護師なのに非正規雇用の仕事しかないなんて

NY

困難極まる就職活動の後、なんとか准看護師になれた私であったが、

こんなはずじゃなかった… その2 まさかの苦戦!准看護師の就職活動

残念ながら、そこで「めでたし、めでたし」となったわけではなく、

再び想定外のトラブルや、新たな挫折を味わうことになったのだった。

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新人看護師の試練

前回の記事で、看護師として働く前に、ヘルパーとして働いた経験を書いた。

アメリカの老人ホームで働きはじめたとき

ヘルパーのオリエンテーションは3日間だったが、看護師もまた3日間だった。

しかしこのオリエンテーション、病院などでは1か月から数か月、

老人ホームでもかつては、数週間ぐらいの期間に渡るものだったのだ。

それがどうして、たった3日間になってしまったかといえば、

ひとえに予算削減の煽りを受けているわけで、

新人教育に費やす分が取れなくなってしまったということだ。

なので、人手は足りてないのに、どの老人ホームも新人看護師を雇うことはできない。

なので、私がああして、地獄の就職活動を味わったわけなのである。

この構図、第一次就職氷河期と同じなのだが、

またしても、このタイミングで同じ目にあうなんて、

前世に就職絡みで相当な悪さでもしたのだろうか。

とにかく、もともと数週間でしていたものを、

3日間だけにしているのだから、相当、非常に、激しく、無理がある…

ヘルパーの時と同じで、わからないことだらけなのに、

基本的に他の看護師も忙しくて、聞く暇がない。

また先輩も、最初は非協力的な看護師もいて、

そうした先輩看護師たちだけと働かなければならない日も多かった。

ヘルパーの時と比べて、業務の責任も重く、

老人ホームとはいえ、間違えや、判断ミスが患者さんの命に関わることにもなりかねない。

自分がヘルパーをしていた時は、看護師の業務は肉体的負担は少ないし、

一見、ゆったりとして楽なように見えた。

しかし、実際にやってみたら大違いで、

膨大な仕事量を既定の時間内でこなさなければならず、

休憩なんてもっての他で、座ってご飯を食べる時間すらないということが判明した。

新人の頃は、そこまでしても、シフトの終わりになっても、全く仕事が終わらないのだ。

そして、数年たった今の私も、8時間で仕事は終わらせられるようになったものの、

いまだに休憩をとることはできない、と言っておこう。

仕事を教えてもらうために、とにかく私はヘルパーの時と同じように、

恐い先輩たちには辛抱強く接した。

前回と違ったのは、先輩のヘルパーさん達が、全面的に助けてくれたことだ。

単純な器具の操作で迷っているときには、すかさず教えてくれたし、

彼女たちが長年見聞きしてきたことで、

他の看護師がこれこれ、こういった場合はどうしてたか、といった風にアドバイスしてくれた。

また、先輩看護師たちの情報を耳打ちしてくれて、

あの先輩にはどういったアプローチを取ればいいのか、

といったようなことの対策の大きな助けになった。

そうこうしているうちに、恐かった先輩たちも、心を開いてくれるようになり、

聞けばしぶしぶでも、仕事を教えてくれるようになってきた。

風前の灯

この老人ホームには直接雇用されたわけだが、

その時に Per Diem (パー・ディアム)という、時給で働く派遣のような形の雇用形態だった。

フルタイムやパートタイムに比べて、時給の率はよいものの、

そのかわり働ける日数は、保証されておらず、

かつ有休や、福利厚生は受給できないといった身分なのだ。

私が働き始めた時、フルタイムもパートタイムも枠がいっぱいだった。

それで、今働いている看護師が退職したり、産休に入ったりして、

枠に空きができたら、順次、そういった正規のポジションに入れてもらえる、

といったように約束はしてくれていた。

そんな時にである。

さらに予算が減らされたのか、突如、人員削減が行われた。

今までシフトあたり3人いた看護師を1人に、

2人いたところを1人といったふうに減らされた。

そして、それまで正規雇用だった看護師の一部も、

私のようなパー・ディアムに降格されてしまったのである。

その時点で、一部の看護師は別の老人ホームで職を探して去っていた。

この時まで、私は週3,4日働けていた。

しかし、このように人員削減されて、正規雇用、そして年功順にシフトを割り振られるわけだから、

私が働けるのは週1日、ひどいと全くシフトに入れない週もあった。

この時点で、たしか働いて3か月目くらいだったと思う。

3か月なんて経験のうちに入らないし、

とてもじゃないけれど、他の仕事先が見つかるような気はしなかった。

やっとの思いで、何とか奇跡のようにゲットできた仕事。

私にとっては、まるで我が子のように大切で、

今はまるで、せっかく授かった我が子の命が風前の灯のようになっているような気持ちになっていた。

今は手がかかるけれど、これから大きくすくすく成長してくれるのを楽しみにしてたのに…と、いったように。

私が仕事でミスをして、くびになったりだとかしたならまだ納得もできたけど、

またしてもこうして不況・人員削減のとばっちりをくらうことになり、神を呪うしかなかった。

とにかくできることだけは、しようと思って、効果は全く期待していなかったけど、

スケジュールを組む人事の担当の人と、婦長さんにちょっとしたクリスマスプレゼントなどを送った。

その甲斐があったのかは、今でもわからないけれど、なんとか週2日は働かせてもらえるようにはなった。

非正規雇用は続く

それから今に至るまで、例外的に半年間、福利厚生付きのフルタイムの仕事をしたはあったが、

私は非正規雇用で働いている。

看護師だったら、仕事も選ぶほどあり、もちろん正規雇用で働ける、

と思っていた私の期待は全て裏切られたことになったのだ。

 

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