こんなはずじゃなかった… その4〰 夢破れて

NY

経済的に苦しかったものの、准看として働きながら、正看護学校を卒業し、

国家試験にも合格し、無事に正看護師となることができた。

30代後半で学校に戻って  正看護学校(後編)

正看護師になるという、当初の目標を達成し、

これでいよいよ私の生活もよくなる、と希望に満ちていたのだが、

またしても、そうは問屋は卸してくれなかったのである。

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最初の躓き

学校に通いながら、派遣の准看として働いていた老人ホーム。

良い同僚や上司に恵まれ、着実に信頼関係を築くことができていた。

最初の職場と異なり、20年以上勤続の看護師、60代の看護師も多く、

誰にとっても働きやすい職場ということが、そのことで証明されていた。

しかし、その分、ポストが埋まってしまっているということも意味する。

私が正看の学校に通っていることを知ると、皆、応援してくれて、

国家試験に合格したら、喜んでくれて、「これからは正看になるんだね」と、口々に言ってくれた。

それで、人事を担当する副婦長さんに会いにいったところ、

その時点で正看護師の定員の枠は埋まっていて、

誰かが辞めない限りは正看護師としては、雇えないと言われた。

残念だったけれど、これはある程度、想定内のことだったので、仕方ないと思えた。

挫折の集大成

そう思えたのは、正看になったからには、病院で働きたいと思っていたので、

国家試験合格直後から、病院の求人に応募していたのだ。

しかし、今現在は、病院で採用されるのは、

4年制の学位を持った看護師に、事実上限定されている。

それでも比較的、人口が少ない過疎地域の病院だと、

私のような学位なしの正看でも雇われているという情報があったので、

NY州でも過疎の地域や、他の州の病院の求人も、片っ端から応募していった。

准看の時と違ったのは、一応反応はあったものの、

なかなか審査の先に進まなかったということだ。

手応えはあるのだ、とは感じられ、

准看の就活の困難を経験した後だったので、頑張ることができた。

そんな中、NY州の過疎地域にある病院から連絡があり、

電話面接などを合格して、最終面接に呼ばれることになった。

ネットの掲示板の情報によると、この病院の場合は採取面接に呼ばれると、

だいたい採用されることになるのだそうだ。

そういうわけで、最終面接への緊張よりも、その時点で嬉しさの方が勝っていた。

NY州というと、私が住んでいる自由の女神やウォールストリートのある、ニューヨークシティのイメージが強く、

都会だという印象があると思う。
’しかし、実際はかなり大きな州なので、

端から端まで、車で9時間ぐらいはかかるほど広大なのだ。

私が面接を受けに行った病院は、ニューヨークシティから電車で2時間強。

そこからレンタカーを借りて、6時間かかるといった、農村地帯にあった。

どれぐらい農村地帯かというと、

「北の国から」の舞台の富良野を、さらにさみしくしたような感じの所だった。

一瞬、内定をもらえてもここでやっていけるのだろうか、と不安になったが、

病院で働くという夢がそれに勝って、大丈夫、と思い直す。

面接は2人の主任看護師によって行われ、わりと好感触だった。

特に一人の主任の方には気に入ってもらえ、

「いつから始められのか?」

「アパートを探すのを手伝ってあげる」

とまで言われたので、この時点で、本当にここで働けるのかも、と思えた。

面接が終わり、結果は電話で知らされるということで、

また長時間かけてニューヨークシティへと戻った。

今現在の職場の上司へも、信頼調査の電話が面接先の病院からあったと聞き、上司にも

「多分、内定もらえると思います」なんて、言っていた。

しかし、結局、その病院から内定はもらえなかったのだった。

挫折の後

ほぼ内定をもらえると確信していたのに、結果ダメだったという事実に、

大きく打ちのめされ、心身ともに荒れた時期がしばらく続いた。

それでも、どうしたわけか、引き続き同じ老人ホームで、

准看護師として、休むことなく、なんとか働き続けていた。

数か月たって、ようやく就職活動を再開できるようにはなっていたが、

もう病院への応募はあきらめ、他の老人ホームでの正看の求人に応募し始めた。

それでも、あまり成果はでなかった。

このまま、もう資格はとったものの、自分は一生、正看護師として働けないかもしれない。

そんなふうに思い始めていた時、以前の職場の先輩の紹介で、

とある老人ホームで正看護師として働けるようになった。

嬉しいことは嬉しかったが、病院の内定をもらえなかった挫折からまだ立ち直れてなかったので、

淡々とした感じで受け止めたのを覚えている。

とにかく、正看護師になることができたわけだが、

そこからまた一悶着があり、

今に至る…

 

 

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