NYで正看の仕事を始めた頃とほぼ同時に、
一人暮らしを始めた。
離婚してから数年続いていたルームシェア生活に、
そうして終止符を打ったわけだ。
こちらの過去記事で書いたように、
これまでルームシェアを通じて、親しい友人と出会えたし、
無数の良い経験をすることができた。
元ルームメートの幸せ
しかし元来コミュ障で、基本的に人嫌い、というキャラなのだ。
他人と一つ屋根の下で暮らし、トイレと台所を共有しなければならない生活、
というのは、あまりにも辛い。
たまに、「外国で一人暮らししてて、さみしくないの?」と、聞かれるが、
さみしさよりも、人と一緒にいる煩わしさの方が勝っているので、
一人暮らしに自分的には、全く問題ない。
そんなわけで、たとえ失業して収入が途絶えるようなことになっても、
これまで頑なに一人暮らしにこだわって生きてきた。
しかし、今回、どうしても部屋の空きが見つからず、
一か月の期間限定で、ルームシェアをしなければならなくなってしまったのだった…
ルームメートは、だいぶ年下のやはりトラベルナースの、アメリカ人の女の子。
同じトラベルナースということで、話さなければならないような時でも、
とりあえず話題はみつかるだろう、ということで安心はした。
実際会って、ルームメートはいい子だったのだが、
ずっと一人暮らしだった数年の経験は、思ったよりも強烈だった。
以前にだいぶ長い間、ルームシェアをしていたのだから、
その時の昔の感覚が戻ってくるのではないか、なんて思っていた。
しかし、すぐ側に他人が寝泊まりしている、という感覚はすっかり忘れてて、
そして、死ぬほど落ち着かず、めちゃくちゃ気をつかう羽目になってしまった。
さらにルームメートも、私と同じ夜勤ということが判明し、
そうなると、バスルームを使う時間などに配慮しなければならず、
気疲れした。
過去、意地悪な人、精神を病んだ人、と嫌なルームメートと住まなければいけないことがあったが、
それに比べて、今回のルームメートは良識のあるよい子だった。
そんな子だけど、家で顔を合わして、コミュニケーションをとらなければならないのが、
死ぬほど嫌だった。
というわけで、休みの日などは朝から晩まで外出して、
なるべく顔を合わさないようにした。
40半ばのだいぶ年上の自分が、そんなことをしているというのが、
自分の人間的欠陥を、こうして目の当たりにされるかのようで、
情けなくてしょうがなかった。
しかし、嫌なものは嫌なのだ。
そして今にして思うと、選択肢がなかったとはいえ、よくぞ昔はルームシェアを数年もできたと思う。
だが、それだからこそ、貴重な経験だったと思うのではあるが。
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