*

今ひとたびの捻挫、そして、骨折 ②

公開日: : 日々, 語らせてくれ

前の日の夕方にニューヨークの街中で捻挫をして、
一晩明けた朝。

車を運転して、Urgent careと呼ばれる、
近所の緊急クリニックへと向かう。

一応、一晩中、捻挫した箇所を冷やして、上げていた。

市販の痛み止めを取っていたので、痛みもさほど気にならなかったし、
前回の捻挫の時同様、ホメオパシーのレメディも使ったので、
びっこをすれば歩けるし、自分で車も運転できた。

頼れる家族がいない、海外在住のおひとり様としては、
この程度ですんでよかった、としみじみと思った。

昨年の夏(2022年)だと、いまだにパンデミックの影響下にはあったから、
緊急クリニックも閑散としていて、そして人手不足だった。

最初に行ったクリニックでは、その日レントゲン技師がいないとのことだった。

私が今回、緊急クリニックに行った理由は、骨折しているかそうでないかを確認したかったためで、
レントゲンが取れないとなると、全く用を足さない。

それでこの緊急クリニックと同じ系列の、そこから一番近い別のクリニックに電話してみた。

そこには今日、レントゲン技師が勤務しているとのことだったが、3時に帰ってしまうという。
その時点で、すでに1時半を過ぎたあたりだったので、
電話を切って、取り急ぎそのクリニックへ向かう。

30分ほど運転して到着し、受付で、
とにかくレントゲンが必要とのアピールをし、しばらく待つ。

こちらのクリニックも混んでいなかったので、
さほど待たずに呼ばれて、
簡単な問診をすました後、
いよいよ肝心要のレントゲン撮影をした。

で。

結果は、骨折。

足の小指の付け根部分が折れる、
下駄ばき骨折、またはジョーンズ骨折という、
よくある骨折らしい。

捻挫が原因のほか、
サッカーなどの足を使うスポーツを通じての、
疲労骨折の場合もあるとのことで、
日頃トロさを恥じている人間としては、
スポーツマンと同じ診断を下されたのは、悪い気はしなかったのを覚えている。

とりあえず安静にして、仕事は数日休んでください。

言われるのはせいぜい、この程度だろうと思っていた。

しかし、その時先生から言われたのが、とりあえず、
外科のクリニックで絶対見てもらえ、との指示だった。

骨折と診断されたとはいえ、
体感としては、4年前の骨折の方がひどくて、
それでも医者にかからず、自力で治した実績があった。

4年前との違いとして、今回は健康保険を持っていたこと。

そして、次の日から仕事で、さすがに数日休みを取ったとしても、
すぐにはよくにならないだろうな、ということは明白だった。

緊急クリニックで、外科医への紹介状、
そして足を固定するスキー靴のようなブーツ、
そしてなんと松葉杖を処方された。

このブーツを履いて、松葉杖をついて歩くと、
一気に、ケガ人のビジュアルになって、
周囲の人が気を使ってくれる率が、半端なくなったのを覚えている。

外科医への予約は数日後でしか取れなかったなので、
そこで時間を持て余すこととなった。

緊急クリニックが、3日間安静にすることという診断書を出してくれたので、
仕事もどうどうと休めたのだ。

風邪やインフルエンザと違って、別に健康なので心身ともに元気。
しかも、足の小指という小さな箇所の骨折なので、
痛みもさほどない。

てなわけで、家にいてもやることがないので、
仕事を休んでいる罪悪感もあったが、
ニューヨークへ友達に会いに行った。

しかし、前述の通りのギブスブーツ、松葉杖のビジュアルだったため、
友人たちをめちゃくちゃをめちゃくちゃ心配させ、
かつ、ドン引きさせた。

実は彼女らがどんな気持ちだったかは、痛いほどわかっていた。

とある友人がやはり骨折をして、仕事を休んでいた時に、
飲みに行こうと呼び出されて、すこぶるドン引きした経験があったからだった。

今にして思う。
その友人の気持ちも痛いほどわかる。

別にけがをしているだけで、元気で、仕事にも行かなくてもいいわけで、
遊びたかったのだ。

こうして両方の立場を今回経験して、ギブスブーツは数週間つけることになったが、
その間、周囲の人の優しさを感じられるいろいろな機会があって、
中には、イケメンに階段をのろのろとのぼっている時に、
手を差し伸べられた、なんて少女漫画ばりの体験もした。

そんなわけで、数日後外科クリニックに行ったところ、
思いもかけないことを、先生から言われた。

6週間の安静、休業

だって痛みもないし、走れないけど歩ける。
ギブスブーツをはけば、仕事もできる気がする。

先生、そんなに休まなくてもいいような気がするんですが…

と、きいてみると、
確かに小さな箇所の骨折だけど、
それゆえに軽視して、動きすぎてしまい、結局ちゃんと治らない、
そして治っても再発してしまうケースがあまりにも多い。

普通のデスクワークの仕事だったら全然問題ないけど、
私の仕事の場合は、動きが多すぎるし、
そして職場がブーツを履いての勤務をよしとしないだろう、とも言われた。

もちろん有休も使いたくなかったし、経済的な不安はあった。

それでも6週間も休めるというのは、正直めちゃくちゃ嬉しかった。

しかし、夏のバケーションシーズンで、パンデミック下ではあったので、
職場はマックスに人手不足の時期だったので、
私の罪悪感も同様にマックスだった。

暗澹たる気持ちでマネージャーに電話をして、謝り、
結局、医師の診断に従い、6週間休業することになった。

これがもし、トラベルナースをしている時だったら、
途中で保険はなくなるし、
有休もあってないようなものだから、収入が途絶えて大変なこととなっていたはずなので、
まさに不幸中の幸いだな、と思った。

 

 

 

 

 

 

Sponsored Link

関連記事

「子供がいなくていいわね」に、何と答えるか

「子供がいなくていいわね」 この言葉を20代後半を過ぎたあたりから、今に至るまで、 折に

記事を読む

そうか、水星逆行だったのか

最近、いろいろなものが何だかかみ合わなくて調子が悪いと、前回の記事に書いた。 そしたら、今日に

記事を読む

30代後半で学校に戻って 〰 准看護学校(前編)

24時間、365日の仕事に就いて(後編)で書いたように、 日系会社をリストラされ、ほぼ勢いのよ

記事を読む

生まれて初めて蜂に刺された!(…多分)

それは、今年の夏の盛りに起こった。 仕事明けで疲れ、私は朦朧として、アパートの駐車場に駐車し、

記事を読む

こんなはずじゃなかった… その3〰 看護師なのに非正規雇用の仕事しかないなんて

困難極まる就職活動の後、なんとか准看護師になれた私であったが、 こんなはずじゃなかった… その

記事を読む

バージニア 2021年3月 〰 11月

長く勤めるつもりでいたシアトルの仕事がうまくいかなかったことについては、 こちらの記事に書いた。

記事を読む

ニューヨークの病院で働いて その②

今回のNYでの勤務先は、 NYに一定の期間住んでいたら、おそらく耳にした機会があるであろう、 ま

記事を読む

49万円払えるか?

「恋愛予備校」なんて新作のドラマのタイトルだと思ったら、なんとリアルでそういう講座があるんだとか。

記事を読む

シアトル 2020年11月〰2021年3月

2020年の夏、パンデミック下とはいえ、 豊かで充実したひと夏を、カリフォルニアで過ごすことができ

記事を読む

貧乏人が垣間見た、お金持ちの悩みの一端

アメリカに住んで、年が明けて思うのは、 ああ、タックスリターンの時期になったなあ という

記事を読む

Sponsored Link

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください


  • アラフィフ、バツイチ、小梨、というスペックです。ままならない日常で思うことをつづっています。不治の厨二病を抱えて生きています。看護師をしながら、アメリカのいろいろな町をまわっています。メニューのお問い合わせからメッセージ下さい。

近況 2024年5月

また前回の投稿から1年近くたってしまった。 昨年の初夏からミズー

今ひとたびの捻挫、そして、骨折 ②

前の日の夕方にニューヨークの街中で捻挫をして、 一晩明けた朝。

今ひとたびの捻挫、そして、骨折 ①

4年前の夏、日本への帰省から戻って来た時に、 ひどい捻挫をした経緯は

中年の危機に向かい 〰精神編

前回の記事で、更年期を目前として様々な体調不良に向き合っていることにつ

中年の危機に向かい 〰身体編

一つ前の記事に書いたとおり、 ニューヨークの病院で働いて その②

→もっと見る

PAGE TOP ↑