来る3月末で今、住んでいるアパートの契約が切れるにあたり、
職場も遠くに変わったため、引っ越すことにした。
このアパートは住んで2年目になるのだが、私の人生においては、尋常ならざることだった。
というのは、これまで、実家を除いて、私は同じ場所に1年以上住んだことはなかったのだ。
1年で3回、ニューヨーク市内で引っ越したり、アメリカの違う都市に住むのは、もちろんのこと。
ひどいと、1年間で、カナダ、日本、アメリカと3か国に住んだ年もあった。
そんな自分の状態を、「ノマドのように暮らしてる」と説明していたのだが、
いつしかこのノマドという言葉が、日本においては、リッチなネット起業家の人たちが、場所にとらわれず、世界をまたいで暮らすといったような、
ライフスタイルをさすようになっていた。
そんなわけで、とても、今となっては、自分のことを「ノマド」とは称せられなくなったのだが、
本来ノマドとは、「遊牧民」ということであって、リッチな人々に限定されていない。
金持ちなノマド、貧乏なノマド、そして普通のノマド(?)、など、それぞれのノマドが存在していいはずだ。
かくいう、貧乏なノマドに属する私だが、貧乏ノマドとは、昔からある「引っ越し貧乏」と、ほぼかぶると思う。
貧乏だから、引っ越しを重ねなければいけないのか、
引っ越しを重ねてるから、貧乏なのか。
これは、卵が先か、にわとりが先か的な問題だけど、
とにかく相乗効果的に、日本を離れて以来、ノマド度(?)が加速していった。
ただ一つ言えるのは、私が決して引っ越しが嫌いではなく、
というか、むしろ、いろいろな所に住んでみたい、という願望が常にあったので、
それを知らずに実現していたのかもしれない。
引っ越しが嫌いだったら、少しぐらいの嫌なことがあっても、我慢するのだろう。
私は、ルームメートが精神の病を持っていたことがあって、2回ほど引っ越した経験があるのだが、
私の知り合いで、ルームメートからお金やものを取られたことがあっても、
引っ越しをしたくがないがため、我慢して、そのまま住み続けたケースもある。
もうかれこれ、10年以上そんなライフスタイルを続けてきたことになるが、
好きでやっていることとはいえ、当然、良い面と悪い面がある。
良い面と言えば、頻繁に引っ越すがために、強制的に断捨離が進み、
はからずして、ミニマリスト化がすすみ、ものへの執着がなくなっていったことだ。
そして、先にも述べたように、いろいろなところに住めたことで、かなり貴重な体験をすることができた。
ただ、いろいろな場所に行くということなら、お金と時間があれば、旅行で行くことはできるけれど、
やはり、旅行で行くのと、そこに住むことは全然違う。
一方、悪い点としては、やはり日本と一緒で、アメリカでも、あまりにも頻繁に引っ越しばかりしていると、信用問題にかかわってくることだ。
就職などでも、厳しい会社だと、過去10年間に住んだ場所を全て、ブランクなしに記入しなければならないところもあり、
そんな時、私のような人間はめちゃくちゃ苦労する。
加えて、職場も転々としているとなると、かなり不安定な人間だとみられても、致し方がないところである。
そして、一般的に言われている通り、やはり一つの場所に根を張らないことで、いろいろなつながりなどを失っている。
このようなライフスタイルを送っていることで、好きでたまらないのに、長らくペットを飼うのを断念しなければならなかった。
というわけで、なにごとにも一長一短があるのだけど、2年間、いったんお休みだったノマド生活。
4月からまだ住むところは決まっていないのだけど、面倒くささを感じつつも、
ちょっとわくわくしてしまっている自分に、救いがたき、引っ越し貧乏気質を感じてしまうのだった。
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