行ってみなければわからない場所

語らせてくれ

Google map, ヴァーチャルリアリティなど自分が子供だった頃は、SFの世界の中でしかなかったようなことが、
現在は現実のものとなっている。

自分が実際行ったことがない場所でも、その風景、街並みなどを、そこに行っているみたいに見ることができるのだ。

ただ視覚的なことだけでなく、無数の個人が発する旅行記やブログなどを、今や瞬時に検索することができる。
それらの記事を読み漁れば、もう実際その土地へ足を運ぶ前に、自分の中で全体像やら雰囲気なんかはつかめてしまうことに
なってしまっているだろう。

まだ現在ほどまでインターネットが普及していなかった、10数年前の時点においても。
私はどこかへ旅行したいとなると、ガイドブックやその土地に関する書籍を読み漁り、
徹底的に予習をしてから赴く、というタイプだった。

しかし、そこまでしても、実際行ってみたら、
良きにつけ悪きにつけ、イメージとは大違いだったというケースが過去、何回かあったのだ。

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「赤毛のアン」が好きで、プリンスエドワード島への聖地巡礼を果たしたというのを、前回の記事に書いた。

自称コアな原作ファンが語るNetflix「アンという名の少女」

この場合、地球の歩き方のようなガイドブックからの情報はさることながら、
世界名作劇場のアニメを見ることから始まっている、幼少期からの潜在意識レベル、といってもいいほどの
刷り込みをモンゴメリ原作、各映像化作品から受けているのである。

私のプリンスエドワード島への予習と言ったら、有り余るぐらいのものがあったと思う。

実際プリンスエドワード島へ行ってみたら、自分が期待し、思い描いていたままの、
本当に美しいところだった。

実際に行ってみて、それまで思ってもいなかったのが、島内の各エリアの距離が、自分が思ってたよりもかなり遠いということだった。

プリンスエドワード島へは、当時住んでいたモントリオールから電車を乗り継いでいったのだが、
カナダ本土から島の入り口、そして宿泊先のシャーロットタウンまでの移動は、バスを使うことになった。

それで、島の入り口から州都のシャーロットタウンまで。
それが、思ってたよりもかなり遠かった。
ちょうど、電車で函館から札幌まで移動して、あまりにも遠かったのに驚いた時と同じような感覚だった。

それで、納得したことがあった。
「赤毛のアン」の作中で、アンが高等学校へ進学したとき、グリーンゲイブルズを離れ、
下宿することになるのだが、当時の私は今いちぴんときていなかった。

昔のこととはいえ、電車も通っているのだし、グリーンゲイブルズから通えばいいんじゃね?
なんて思えてならなかったのだ。

しかし、まあ、これは今にして思えば、日本の首都圏しか知らない者の無知からの感想であり、
現在の日本ですら、電車が通っていても本数の限りがあったりして、同じ県内だとしても通勤・通学できない
ケースがあると、後に知ることになるのである。

話をプリンスエドワード島へ戻せば、とにかく、プリンスエドワード島の各町は結構離れていて、
これは下宿しなきゃいけなかったんだな、というのが納得できたのだ。

それと意外だったのが、グリーンゲイブルズが想像していたより、ずっと奥まった所に位置していたということだった。

イメージだと、ダイアナの家だとか、レイチェル・リンドおばさんの家なんかは、すぐ近所にありそうなもんである。

だが実際のところは、グリーンゲイブルズはその周りを、かなりガチな雑木林に囲まれていて、
他の家なんかは全く見えないのだ。

ガチな、と形容したように、雑木林は高い木が鬱蒼と生い茂っていて、小川がなんかも流れているなど、半端ないのだ。

昼間だってそうとう薄暗いのに、こんな道をガス灯だけをたよりに夜通るなんて、絶対ありえない、と思った。

グリーンゲイブルズや舞台となるアヴォンリーの街並みなどは、様々な映像化の作品からさんざん見てきたはずなのに、
やはり実際に行ってみなければ、わからないことがあるんだな、と実感した時だった。


 

 

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