とあるモンタナでの思い出

アメリカ事情

2016年11月の終わりから、翌年の7月下旬までの半年強。

私はモンタナ州に住んでいた。

首都圏育ちで、北米生活の大半を都市部ですごしていた身としては、
違ったよい経験をできたと思う。

いくつか思い出深いエピソードはあるのだが、
そのうちの一つを紹介させていただきたい。

それは2017年の1月に、モンタナへ引っ越ししてから初めてNYへ帰る時だった。

その時にNYへ帰る理由というのは、とあるセラピーのセッションの予約をしていたからだった。

セラピーのために、わざわわざ飛行機に乗ってモンタナからNYまで行く?

そう思われるだろうし、私が他の人の話として聞いたら絶対にそう思う。

しかしこのセラピーというのは、知る人ぞ知るNYのカリスマ・セラピストさんによるものであり、
常に半年先までセッションの予約が埋まっているという、ものすごく貴重なものなのだ。

しかも、そのセラピストさんが今後はオープンには予約を取らない、
との方針をまさに発表していた。

なので、そのセラピーを受けれるのがこれが最後になってしまう可能性もあるので、
是が非でもNYに帰らなければならなかったのだ。

しかーし!

そんな時に限ってである。

私が乗るモンタナからシアトルまで飛ぶ飛行機が、
天候不順で欠航になった!というではないか。

しかも。

無料で振替ることのできる、同じ飛行機会社の便は
明日までないという。

明日まで待っても別に構わなかったが、
セラピーセッションには、全然間に合わなくなってしまう。

しかし別会社の飛行機を、当日空港で買える財力もない。

絶体絶命だった。

こうなるとセッションをあきらめるしかなかったが、
自分を納得させることができなかった。

どうしても、どうしても、このセッションを受けたい!!
NYにたどり着くまで、何かいい方法はないだろうか?
何か…

その日、私はモンタナからシアトルへ行き、
そこからNY行の飛行機に乗り換えるはずだった。

…ということは、シアトルまで何らかの方法でたどり着けばいいわけだ。

車で行くにはとてもじゃないが、間に合わない…。

その時にひらめいた。

車で運転して、別の空港から飛行機でシアトルに向かえばよいのではないかと。

意を決して、空港カウンターへ向かう。

ここから車を運転して2時間ぐらい離れた空港から、シアトル行きの便は出ているか、と尋ねた。

係員さんがさっそく調べてくれて、3時間後にシアトル行はあり、空きもある、とのこと。

そこまでどうやって行くのか、と聞かれ、
運転していくと答える。

なら、レンタカーを借りてきて戻って来い、
そうじゃないと振替発券はしない、と言われる。

それで、この空港までは自分の車で来ていて、
空港の駐車場にとめているのだと答え、
発券してもらえることになった。

Good luck! と言われ、チケットを渡される。

確かに、その時の私は運が必要だった。

3時間余裕があるとはいえ、初めて行く場所なので、
道を間違えるなどしたら、一発で時間オーバーになってしまう。

時計をにらみながら、胃が痛くなりながらの運転はかなりきつかった。

結論から言うと、無事に間に合ったわけだが、
セキュリティーのゲートが閉まっていたのを、
半ば泣き落としで無理に開けてもらって、ようやく間に合わせたようなものだった…

(しかし、またまた土壇場で飛行機の出発が遅れたりなんやで、
精神的にかなりいためつけられた…)

その後は無事にNYに着いて、目的だったセラピーも受けることができ、
モンタナへ戻る段階となった。

ここで問題になったのは、私のそもそもとったチケットはNYからモンタナの空港Aの往復チケットだった。

しかし、今回私は空港Bから飛び立ち、私の車は空港Bの駐車場にとまっていたのである。

帰りのチケットを空港B行きに振替えてもらおうとしたものの、満席でかなわず。

そして、次の日に仕事に戻らなければならず、
次の日の便を待つという選択肢は、またしてもなかったのだ。

ではどうしたかというと、仕方ないので空港Aに到着し、
そこからレンタカーを借り、空港Bまで向かい、
自分の車に乗り換え、再び空港Aがある町まで戻る、ということをしたのだ。

片道2時間、往復4時間のドライブときくと、
そんなに悪くない印象を受けるかもしれない。

しかし、いくら自分の好きで行ったとはいえ、
NYからの乗り換えを含む長距離フライトの後で、
しかもセラピーなどに詳しい人なら、おわかりかと思うが、
セラピーセッション、しかもカリスマ・セラピスト級の人から受けたような
セッションの後となると、好転反応がはんぱない。

そんな中、ほぼ気力だけで、なんとか無事にたどり着いたようなものだった。

そんな中で、とある気づきを得ることができたのだが、
それについては、また別の記事で書いていきたいと思う。

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