貧乏人が垣間見た、お金持ちの悩みの一端

NY

アメリカに住んで、年が明けて思うのは、

ああ、タックスリターンの時期になったなあ

ということだ。

日本風に言えば、確定申告ということになるかもしれないけれど、

こちらでは、自営でなく、サラリーマンでも、とにかく働いて税金を納めている人は、タックスリターンを申請することになっている。

給与明細を見るとき。

そして、このタックスリターンの時期。

ことさら、貧乏なおひとり様の割の合わなさを感じずにはいられない。

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非正規雇用。

そして日本円にして300万弱の学生ローンを抱える私は、決して豊かではない。

ニューヨークの高い家賃に給料の半分を持っていかれ、

失業中にこしらえた借金の月々の支払を済ませれば、毎月何も残るものはない。

その日暮らし。

英語で言えば、

From hand to mouth

といったところなのだ。

それなのに。

シングルで、子供がいないということで、給料をもらうたびごとに、税金がごっそり引かれていく。

日本でも派遣でそれなりの期間、働いてきたけど、こんなには引かれなかった、と思うぐらい、取られる。

まだ准看だった頃、週2日の仕事から週4日、そして週5日まるまる働けるようになった後の、タックスリターンでそれは起こった。

それまでは、ろくに稼げていなかったので、タックスリターンの時は、たいてい学生ローンの返済対象で、還付を受けることができた。

しかし、その時は、還付を受けるどころか。

逆に、足りない分の税金を納めなければならなくなってしまったのだ。

引き続き、4人でルームシェアをしていたような時なのに、である。

次は、准看から正看になった時。

時給が10ドル以上もアップしたので、これで少しは生活が楽になるだろう、と期待に胸を膨らませていた。

しかし、正看になって最初の給与明細を見て、半ばめまいを覚えた。

想像を絶するほど、税金がひかれているため、手取り的にはほとんど、准看の時にもらっていた額と差がつかなかったのだった…

いずれの場合も、ガンとなっているのはニューヨーク州税である。

一人で、子供がいないとなると、実態がどんなに貧乏であろうが、容赦なく、税金をとりたてるのだ。

ここに来て、お金持ちの人がどうして住民票を、州税のないフロリダ州に移す理由がわかったような気がした。

さらに、おひとり様の男女で、たいしてお金が有り余ってなさそうにみえるような人たちが、家を買う理由も、ようやくわかった。

親がバブル期のマンション購入で莫大な住宅ローンを背負って、大学の学費を払ってくれなかったり。

元旦那がやはり、マンション購入で失敗したので、別れる時に慰謝料をもらえるどころではなかったりで。

私にとって、不動産購入なんて、忌々しくて仕方ないもので、

わざわざ重荷やリスクを背負うことに、価値が全く見いだせなかった。

しかし、アメリカでは、シングルの人間が家を買って、住宅ローンを払うと、かなりの節税になるらしいのだ。

失業して借金を背負うまでは、一時期、本気で住宅購入のことも考えたりした。

順調にいけば、失業中にできた借金は来年には返せる予定。

その後、同じペースで支払いができれば、学生ローンも3年ぐらいで完済できるはず。

その後、住宅を購入して…

と、考えるところだと思うけど、何分、今までの自分のことを考えると、

また失業したりして、そんなにうまく行かないんじゃないか、という気がしてならないのだ。

ああ、再婚して家庭が持てると思っていた日々の頃の、なんと遠いことか。

 

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